
「欧州文化首都」制度は、1985年に発足。
EU加盟国の文化閣僚会議で、EU加盟国の中から1都市を選び、「欧州文化首都」として定めている。
選ばれた欧州文化首都では、一年間を通して芸術文化に関する様々な行事を開催。
欧州圏内での文化の相互理解を目的としている。
開催プログラムの特徴は、
・欧州全体の文化の特徴を備えている。
・市民が参加。
・アーティストや運営者は、欧州各国から。
・文化・経済・社会発展に長期的かつ継続的な効果のあるもの。
2014年の欧州文化首都に、ウメオが選ばれた最大の要因は、
「サーミ」だったようだ。
ウメオが、サーミ文化発展の起点となることが求められている。
ウメオでここ数年、2014をテーマに様々な分野で行事が行われていた。
この欧州文化首都の選考に向けてだったのかぁ。

私にとって、ウメオが欧州文化首都に選ばれた事は驚きだった。
比較的新しい街、ウメオ。
いわゆるヨーロッパらしい町並みではないし、衣食住に多様さはない。
正直に言って、「文化的な街だ」と思った事はなかった。
今回の当選は、私にとって、「文化」を考え直すきっかけになりそうだ。
色々なものが溢れる事が文化、ではないのかも。
歴史的な建物が建ち並ぶ事が文化、ではないのかも。
ウメオには、北スウェーデンならではの暮らしがある。
夜中まで明るい夏は思い切り太陽を楽しみ、
暗い冬は灯りを上手に使って乗り切る。
森と湖を愛し、大切にし、活用する。
家の中に入れば、もっとたくさんのこの土地ならではのものがあるのだろう。
シンプルな暮らしの中に、受け継がれてきた物事。
こういう事こそが、文化なのかもしれない。
次に、サーミについて。
サーミの本拠地は、ウメオより500km以上北にあるLapland(ラップランド)という地域。
ウメオにいて、サーミの文化を感じる事は少ない。
サーミの民芸品は見かけるけれど、暮らし方や思想はどう活かされているんだろう。
日本のアイヌ民族とも似た文化や歴史を持つサーミ。
今後、どのように文化を発展させ、異文化と交わっていくのか、興味深い。
最後に。
ウメオには、大学を中心に各国から人が集まってきている。
様々な文化を背景に、ウメオならではの文化を育んでいく。
おもしろそうだ。
ウメオらしい文化を感じる機会が、
日常の中に、たくさん増えれば良いな。
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