2011年7月18日月曜日

企業と地域住民との連携 2


今回の講習会は、チーズ工場に隣接するOstenshus(ウステンスフス:Cheeze house)で行われた。
Ostenshusでは、カフェや地域産物の売場、貸し会議室、VästerbottenOst(ベステルボッテンチーズ)の博物館が併設されている。
参照:Ostenshus


参加者はまず、Ostenshusのカフェに集まり、ベステルボッテンチーズのサンドイッチを食べながら講習会が始まるのを待つ。
このサンドイッチがとても美味しく、参加者の満足そうな声があちこちから聞こえてきた。

スウェーデンではミーティング時にお茶と軽食で始まる事が多いが、今回のような講習会の場合、始めに会社の製品で素敵にもてなす事は良い効果がありそうだ。印象がぐっと良くなる。


自己紹介後、会議室へ。
NorrmejerrierVästerbottenOstの歴史や現在の運営方法、スウェーデンのチーズについての説明を受ける。


次に、チーズ作り体験。
チーズ作り体験は、以前からここで一般向けに提供されているもので、牛乳から取り出されたチーズの素に塩とハーブ類で味付けし、型に入れて圧縮するだけの、簡単なもの。
実際にチーズを作る場合ここに至るまでの過程が重要だろうから、今回のように技術も知識も必要としない遊びのような体験では、参加者は不満だったろう。

出来たチーズはこれ。


続いて、チーズとワインの試食とそれぞれの説明を受ける。
説明はカフェの女性がしてくれた、専門的な内容でためになるものだった。
カフェの店員がここまで専門的知識を持っている事に私は驚かされた。
この会社では、チーズとワインの試食と食事が市民向けに有料で提供されている。カフェの店員は単なるサービス係ではなく、チーズとチーズに関わる食の専門家として食と知識を提供しているのだ。なんという質の高さだろう。





チーズを用いた昼食も、絶品だった。


昼食後は、工場長が製造工程を具体的に説明。
化学的な説明も多くてかなり難しかったが、参加者も工場長もとても熱心で予定時間を延長する程だった。
この工場長はスウェーデンのチーズ産業界のリーダーの一人であり、技術的にも知識的にも優れているそうだ。こうした人が、真摯に説明し質問に応える姿から、地元の酪農家を大切にして行こうと真剣に考えていることが伝わって来た


今回の講習会は、VästerbottenOstにとって初めての試みだった。
各家で実際にチーズを作ることを考えると、今回の講習会ではまだまだ足りない。
講習会終了後にQvarkenfoodはさらなる講習会を提案していた。
大手チーズ会社と地域の酪農家がどのように連携して行くか、今後の展開が楽しみだ
(続く)

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