2011年7月9日土曜日

企業と地域住民との連携 1

ご無沙汰しています。
先々週から私はアルバイトを始めました。ずっと願っていた”働く”ことに喜びを感じながらも、幼稚園と職場の時間の融通の利かなさに、『日本の社会は、子供が小さいうちはお母さんが働けるような状況でないのだな』と実感する毎日です。さてこれからどうしたものか…

さて、なかなかブログを書く時間が取れないのですが、書いておきたいスウェーデンの事を少しずつ書いていこうと思っています。

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2月、スウェーデンのある有名チーズの工場で地域住民に向けて本格的なチーズ作り講習会が開催された。
講習の目的は、地元の酪農家が乳製品会社に牛乳を売る以外に、チーズの自家生産により臨時収入を得られるようにすることだ。(もちろん地域の食産業を活性化する目的もある。)

今回の講習会に関わったのはVästerbottenOst(ベステルボッテンチーズ)というチーズで、スウェーデン中で販売され人気がある。工場のあるBurträskは人口約1600人の小さな町。近隣の都市UmeåとSkellefteåまでは50km程離れていて、都市と都市の間にある田舎の町だ。
(Västerbotten Ostの工場は大手乳製品会社Norrmejerierの子会社。)
参照:VästerbottenOst

講習会は、VästerbottenOst工場と成人の教育活動を支援するStudieförbundet Vuxenskolan(Study association of Adult school)というコミューン(市)の機関と 、Qvarkenfoodという「地方にある中小規模の食産業の発展」を目指す会社が共同で開催。
参照:Studieförbundet VuxenskolanQvarkenfood


北スウェーデンの酪農家の多くは小規模であるため、維持して行くのが難しい地元の酪農家が倒産してしまうと乳製品会社も困る。そこで、乳製品会社がチーズ作りのノウハウを教え、地元の酪農家を支援する試みが行われた。
また、VästerbottenOstはスウェーデンのチーズ産業の中で大きな割合を占めるため、個人の酪農家がVästerbottenOstのノウハウを用いてチーズを販売しても全く痛手は負わない。

このように原料生産者と加工者である企業が手を組み、地域と共に発展して行く在り方は、とても興味深い。


参加者は20人程で、このうち半数は酪農家や農家だった。
皆、自宅でチーズを作りたいという理由での参加。作ったチーズを販売する事まで考えている人は少ないようだった。

講習会は、NorrmejerrierとVästerbottenOstの会社説明から始まり、チーズ試食と説明、チーズ作りの一部体験、チーズ作りの行程について実践的説明があった。(次に続く)

1 件のコメント:

yosh さんのコメント...

かおりさん、昨日はありがとう、よしえです。会えて良かった。また会いたいです。昨日、かおりさん達に会う前に、以前働いていた会社の上司と会っていて、ちょうど話の中に北欧社会の話しが出ていたの。日本の企業は目先の利益ばかりに目を向けて、長期的で日本社会全体を考えた戦略が少ないという話しをしていました。企業と地域酪農家の連携、その長期的で包括的な取組み、素晴らしい。ところで、かおりさんのメールアドレスも教えて。昨日、聞きそびれてしまった。今度はどこかひろ~い所で、BBQしよ~~~。(大きなお肉の塊はうちの担当ね。(笑))