2008年8月28日木曜日

アレマンスレッテン(自然享受権)

スウェーデンでは、”自然はみんなのもので、誰でも他人の所有する森や土地に入っても良い”という事が保証されている。
これがアレマンスレッテン(Allemansrätten:自然享受権)
数百年来のもので不文律として伝統的に受けつがれて来、のちに成文化され「自然保護法」の第一章に記載されている。

自然保護法第一章では次のように記載されている。
自然は保護され保全されるべき国の資産であり、アレマンスレッテンにより国民全員が利用できるものである。」

アレマンスレッテンが保障している権利には、具体的には次のような行為が含まれる。
・野生の木の実やキノコを採集して良い。
・天然記念物になっている野生の花以外であれば摘んでも良い。
・宅地以外なら他人の土地を歩いても良い。
・地面に落ちている枯れ枝や小枝を拾って良い。
・所有者の船着き場を使わなければ、湖岸や海岸で泳いで良い。

と同時に、アレマンスレッテンは次の3つの基本的な責任を前提に成り立っている。
・民家に近づかない。
・土地所有者の利害(農業や林業など)に配慮する。
・住民に迷惑をかける事をしない。

具体的に禁止されている事としては次のような行為がある。
・自然の中でゴミを捨てる。
・低木や木の枝を折る。
・小鳥の卵を取ったり、巣を壊す。
・他人の宅地を通る。
・伐採された後の薪を取る。
・漁獲の許可書なく湖で魚釣りをする。
・牧場の柵を開けたままにしておく。


こうしたアレスマンレッテンのおかげで、常識的に考えて良くない事をしなければ、本当に自由に自然の中を楽しむことが出来る。
親しみのある自然との関わりは、このような自由から始まるのかもしれない。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ほえー

「自由」と「自由を履き違えない人」の2つが揃って、自然との親しみのあるかかわりができるのではなかろうか。

「自由を履き違えない人」を育んできた歴史と文化もまた重要なり。

おひさしぶーりー

園庭研究所 さんのコメント...

うん、こういう文化を育んで来た歴史や文化をもっと知りたいな。