2009年9月15日火曜日

欧州文化首都

ウメオが2014年の欧州文化首都(European Capital of Culture)に選ばれた。


「欧州文化首都」制度は、1985年に発足。
EU加盟国の文化閣僚会議で、EU加盟国の中から1都市を選び、「欧州文化首都」として定めている。
選ばれた欧州文化首都では、一年間を通して芸術文化に関する様々な行事を開催。
欧州圏内での文化の相互理解を目的としている。

開催プログラムの特徴は、
欧州全体の文化の特徴を備えている。
市民が参加
・アーティストや運営者は、欧州各国から
・文化・経済・社会発展に長期的かつ継続的な効果のあるもの。


2014年の欧州文化首都に、ウメオが選ばれた最大の要因は、
サーミ」だったようだ。
ウメオが、サーミ文化発展の起点となることが求められている。

ウメオでここ数年、2014をテーマに様々な分野で行事が行われていた。
この欧州文化首都の選考に向けてだったのかぁ。




私にとって、ウメオが欧州文化首都に選ばれた事は驚きだった。

比較的新しい街、ウメオ。
いわゆるヨーロッパらしい町並みではないし、衣食住に多様さはない。
正直に言って、「文化的な街だ」と思った事はなかった。


今回の当選は、私にとって、「文化」を考え直すきっかけになりそうだ。
色々なものが溢れる事が文化、ではないのかも。
歴史的な建物が建ち並ぶ事が文化、ではないのかも。

ウメオには、北スウェーデンならではの暮らしがある。
夜中まで明るい夏は思い切り太陽を楽しみ、
暗い冬は灯りを上手に使って乗り切る。
森と湖を愛し、大切にし、活用する。
家の中に入れば、もっとたくさんのこの土地ならではのものがあるのだろう。
シンプルな暮らしの中に、受け継がれてきた物事。
こういう事こそが、文化なのかもしれない。


次に、サーミについて。
サーミの本拠地は、ウメオより500km以上北にあるLapland(ラップランド)という地域。
ウメオにいて、サーミの文化を感じる事は少ない。
サーミの民芸品は見かけるけれど、暮らし方や思想はどう活かされているんだろう。
日本のアイヌ民族とも似た文化や歴史を持つサーミ。
今後、どのように文化を発展させ、異文化と交わっていくのか、興味深い。


最後に。
ウメオには、大学を中心に各国から人が集まってきている。
様々な文化を背景に、ウメオならではの文化を育んでいく。
おもしろそうだ。


ウメオらしい文化を感じる機会が、
日常の中に、たくさん増えれば良いな。

0 件のコメント: