2009年11月6日金曜日

ウメオの熱システム 2 熱供給

「スウェーデンの暖房は温水パイプによる輻射暖房が中心」と以前に書いた。
この温水は、熱供給施設(Värmeverk)で作られ、各建物に運ばれる。
地域暖房(Fjärrvärm)という方式。
温水パイプは地下を走り、地域暖房網(Fjärrvärmnät)として市内中に張り巡らされている。

図は、ウメオ市内の地域暖房網。
緑星印が熱供給施設、ピンク線が地域暖房網、濃黄色が住宅地。

ウメオでは、温水は、主に2カ所の施設で作られている。(星印・大)
Dåva施設(図左上)では、可燃ゴミ焼却時に出る熱を利用し、水を温める。
Ålidhem施設(図右下)では、森林屑を燃やし、水を温める。
可燃ゴミは、ウメオ中から集められる。加えて、周辺地域からも持ち込まれる。(この場合、ゴミを渡す側が熱供給会社に支払う。

2大施設の他に、各住宅地区には、小さな熱供給施設がある。(星印・小)
これらの施設は、Dåva施設とÅlidhem施設から熱が十分に届けられない場合(特に寒い時や破損時など)に使用される。
これらの施設の多くは、オイルを用いて熱を作っている。
(図中、Olja:オイル、Biopulver:森林屑、El:電力)


温水パイプが密に走る地区と、少ない地区があるのは、
地区の建物構成が、一戸建てかアパートメントかによる。
戸建てが並ぶ地区では通りごとに温水パイプが引かれ、アパートメント地区ではパイプを共有しやすいため数が少ない。


もちろん、温水パイプを引いていない家も存在する。
特に、ウメオ郊外では地域暖房網はない。
こうした家では、加熱器や給湯タンク(例えば、木材を使った暖房器具)を使っている。
ラジエーター(放熱器)を用いて電力で熱を得る場合もあるが、費用がとてもかさむため、あまり行われていないようだ。


さらに。
暖房のための水には、生活用水として使われた後の水が再利用されている。

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