2012年3月24日土曜日

野外保育園と一般の保育園における園庭の比較研究 2 園庭のつくり


〜「野外保育園と一般の保育園における園庭の比較研究 1」の続き〜

(以下の内容は、『幼児のための環境教育〜スウェーデンからの贈りもの「森のムッレ教室」』(岡部翠編 新評論 2007年)のp.6279から抜粋したものです。出版社の了解を得てブログに掲載します。詳しい研究内容と結果・解説については、本をご覧下さい。)


図は日本野外生活推進協会から頂きました。クリックすると拡大できます。)


近代的な庭を持つレーテキャッテン保育園(一般保育園:図左)では…

砂場やブランコ・滑り台・三輪車といった遊具があり、園児だけでなく地域住民も利用できる公共の庭となっていて遊び場や植木・芝生・歩道が整えられていた

木は低い木が2しか無く、少人数で静かに遊びたくともそのための場所がなかった

また、園の先生たちは近隣の住民に配慮して、子供たちに庭で大声を出したり迷惑をかけないように指導し、遊んだ後はきれいに後片付けをするなど庭を常に綺麗に管理することが重視されていた。

子供と先生は午前中の2時間を園庭で過ごし、子供たちが園庭で遊んでいる間は先生は一ヶ所に集まって遠目から子供たちを見守っていた

この園での子供たちの主な遊びは、園庭の舗装された小道を三輪車でグルグル回る事や砂場で遊ぶ事で、三輪車の順番待ちや場所の取合いがしばしば起こってい
(この現象は、まさに我が子が通っていた園で起きていたことを同じだ。参照:子供の遊び場問題点



 一方、スタータレンガン野外保育園の園庭(図右)では…

木々が生い茂り、ブランコや砂場・木にロープを掛けただけの遊具に加え、作業小屋や年少の子のための遊び小屋があり、菜園や実のなる木も植えられ、ニワトリも飼っていた

庭の真ん中辺りからは雑草が伸びて野生の森のようになっており、放課後児童クラブで園を訪れた小学生らがスリルを味わえるような遊びを楽しむために使われていた

庭が広いうえに多様な環境であるため、少人数で静かに遊びたいときも十分に場所を見つける事ができ、場所や遊具の取合いが起きる事も少なかった

また、この園では出来るだけ多くの時間を屋外で過ごし、子供たちが集中して遊べるように遊びを途中で止めさせないよう考慮されていた。

先生は、遊んでいる子を回って話をしたり、庭の手入れをしていた

(続きます…)



参照:
森のムッレ教室123456
森のムッレ保育園の園庭 12 ,3456


幼児のための環境教育―スウェーデンからの贈りもの「森のムッレ教室」
幼児のための環境教育―スウェーデンからの贈りもの「森のムッレ教室」

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